Girls Talk

Tenko Kisaragi

尿膜管癌

2016年05月25日

手術から6月で丸5年。
この間、当時の手帳が出てきた。

 

一日目 入院。

二日目 手術。

三日目 立つ!

なんて書いてあって、そう言えば、とにかく早く帰りたくて、手術の次の日には絶対歩いてみせるぞ!なんて思ってたっけ。

と言っても、今では手術の次の日には歩くのが普通なんだけどね(^^)

 

トイレが近くなって、おかしいな・・・なんて思っていたら、膀胱近くに何かができている様子。

血尿が出たので内科へ行き、普通に抗生物質をもらったけど治らず。

泌尿器科へ行きなさいと言われ、行ったけど、漢方薬とかくれるだけで、全然変化無し。

面倒臭くなって、病院も行かなくなって2〜3か月した頃、あまりにもトイレが近いので

母親に、この辺りでは有名な泌尿器科へ行ってきなさい!と怒られ、行ったのが5月のゴールデンウィーク中。

 

お腹を触るなり、「子宮筋腫もってるのか?」と聞かれ、

「診てもらったことがないから知らない」と答えた。

それが5月6日。

で、そこからでした。

大きいから手術前提で病院を紹介します

なんてことになり、滋賀医大へ行くことに。

 

前の病院でも「子宮筋腫もってますか?」

と聞かれ、やはり「知らない」と答え、「一度診てもらって」と言われていたけど、ほったらかし。

まずかった?

と言っても後の祭り。

 

5月16日、初滋賀医大。

5月20日、検査。確かMR。

5月30日、結果を聞きに病院へ。数値を見せながら説明をした後、先生が手術室の誰かに電話して

「復水はなし。ステージ3かもしれない」とか何とか、手術室を早急に押さえて・・みたいな話。

6月3日、手術担当の先生と会い、入院前の検査。手術日は6月10日。普通の手術なら2〜3か月待ちだけど、「これが最速です」って。

6月9日、入院。下剤を飲みました。

6月10日、朝から浣腸。溜まってるのね〜、何やかんやと・・・・。手術室に入ったのが9時頃。

予定では、卵巣と、悪性だった場合は子宮を取るので約3時間くらい。

万が一、転移していた場合は状況にもよるけど、何時間かかるか分からない、とのこと。

 

手術台の足元側の壁に時計。背中を丸めて麻酔をしてもらい、数字を数えたんだっけ・・・?

喉から何かを抜かれるような気持ちの悪い感覚で目が覚めたのだけど、麻酔を打ってもらって、それまであっと言う間。

何時間も経ったようには感じられなかったけど、挿管した管を取ったんだと分かり、手術が終わったんだと言うことも分かったので、すぐに時計を見ると! 12時半。

まぁ、予定通り。

 

ベッドに移してもらって、その後、ベッドのまま部屋へ行くのだけど、この時が一番気持ち悪かった。

両親が来ていてくれたのだけど、あまりにも眠くて相手できないから「寝るから帰って」と言ってました。私。手術後は眠いし、寒いし。

麻酔をしていたから低体温になるんだか(?)で、とにかく寒い! それに眠い!

 

それと、指についてる洗濯バサミのような器具が痛い!これ、どの指でもいいんですね。人差し指じゃないといけないのかと思ってた。テレビとかで見て。この器具は、血液中の酸素の量を測る機械。手術後は酸素マスクをつけさされてるんだけど、なんか嫌ですぐに取ってしまってたら、酸素が足りてないから取ってはダメ!と言われました。洗濯バサミで測ってたのね。。。

 

 

担当の先生から手術の話を聞いたのは、夕方だったか、夜だったか。

「開けてみたら、卵巣も子宮も綺麗でした。なので、卵巣も子宮もそのままです」

「・・・・・?」

でも、何か出来てたよね? だから手術したんだし・・・・。

開腹して、腫瘍が出来ていて、ポロっと取れたけど、膀胱にくっついていたので、膀胱もちょっと多めに切りました。泌尿器科系の腫瘍だと思われ、泌尿器科の先生に診てもらっての判断です。みたいな話。

お腹を切って開けたら、婦人科とは関係なかったから、そのまま泌尿器科の先生を呼んできてもらって、処置したってことよね?

泌尿器科の先生が来るまで、私はどのくらいそのままの格好で待ってたことになるんでしょう?

と思うと、笑えてくる。

 

その日は、手術後はあんなに寒かったのに、熱が出てきて、今度は逆に冷やしてもらうってことに。。。

 

それから、尿道カテーテルの経験は初めてでしたが、あの管を触っていいのかどうなのか不安だし(眠いし)で、夜中、尿道カテーテルをしているのにトイレに行きたくなって、看護師さん呼ぶってことを2回くらいしたかなぁ。

泌尿器科の先生が来てくれて、膀胱を切ってるから小さくなっいて、カテーテルの先が膀胱の壁面にくっついてしまっていたら、流せないから・・・と看護師さんに説明され、抜いてもらったことも。

看護師さんには、ホント、頭が下がります。

 

 

入院三日目。

朝から立ち上がることに必死。スリッパの位置が大切だと気付いたその日。

スリッパのある方とは逆に起きてしまった時の、あの落胆。

これも、今考えると笑える。

たまたま研修の先生がいたので、担当の先生が3人だったのだけど、3人が一緒に回ってくることはなくて、別々に様子を見に来る。部屋へ入ってきた気配があっても、すぐには動けないから、ベッドに逆向きに寝ていたこともあれば、動こうとしている真っ最中だったことも・・・。

 

昼過ぎてから、母と姉が来てくれて、病室で話をするのは他の人たちに迷惑かなと思ったので、ブリーフィングルームのようなところで話をしつつ、またもや私。

「今日、何時くらいに帰る?」

と聞くと、母親は

「別に用事はないから、何時でもいいよ」

と言ってくれたのだけど、熱が出ていて横になりたかったので

疲れたと訴え、帰っていただきました。

 

この日の看護師さんだったでしょうか? 様子を見にきてくれて、傷口から出血がないかを必ず見るのだけど、傷口を見た看護師さん「きれい!」だって。

その反応にビックリ。慣れてると、違うのね・・・・。

傷口には縫った跡がなく、テープが貼ってあるだけ。

なんか、パカって開きそうで、ちょっと怖い。下を向くと余計にね・・・・。

 

食事がいつから出たのか忘れたけど、手術後からお腹が空いたと訴えていたわりに、

あまり食べられませんでした。

 

 

自分の周りには、尿道カテーテルとか、点滴とか。

一番嫌だったのが、背中から痛め止めを入れたらしいプラスチックのボトル。

もう空になっているのに、なかなか取ってくれないから、空なのにどこに行くにも持っていかないといけない。

 

点滴が取れたのが、入院五日目。背中のは、六日目の夜でした。

点滴が取れると、手の自由度が半端ないので、とても楽。

背中のも、取ってもらうと自由度全開!

 

尿道カテーテル、楽だよね。トイレ行かなくていいんだもんね(^^)

 

そんな感じで、傷の方は問題なく、実際一週間で退院できそうなのに、卵巣癌ではなく、それが何かが分からないから、なかなか退院させてもらえない。

早ければ一週間。念のため十日間。できれば二週間。なんて言われてしまった。

 

検査の結果、再手術が必要になるかもしれないしって。そうしたら、入院したままのほうがいいでしょ?って。

 

入院八日目には、お腹のテープを外してもらった。それが、木曜日。

次の日が金曜で、土日が入るから、退院日がいつになるのか全く不明。

月曜日に造影だよって言われてたのに、予約がいっぱいで取れなかったと、火曜日に。

退院日が決まらなくてイライラしてるのに、手術から十日目に造影を取るって大体決まっているらしく、初めから分かってるんだからちゃんと予約とっといてよ! なんて、イライラ感募る。

 

そんなこんなで、結果が出なくても一回帰りますか?なんて、主治医の先生が言ってくれた。

 

この週末、病院の図書館に行って、遠藤秀作読んだり、ハリーポッター読んだり。

そう言えば、ワンピースも読んだっけ。

 

入院十一日目。造影剤を注射し、CTスキャン。で、この日。泌尿器科の、私の担当になる先生の初めての診察で、尿道カテーテルがいきなり取れた!

 

なんて身軽!

トイレに行く必要ないし・・・なんて思ってたけど、ない方が絶対良い!

丁度両親が来ていて、ちょっと診察に行ってくると行って、帰ってきたら私一人で帰ってきたので、二人とも笑っていた。

 

そうして次の日、入院十二日目。

主治医の先生が来て「ご両親も来られているの、今日退院しますか?」

だって。いきなり?

と思ったけど、もちろん!退院。

 

それ以降、入院はなし。

 

私の病名ですが、「尿膜管癌」。

お母さんの胎内にいるとき、排泄物をお母さんの体に戻していたのが尿膜管。

生まれると必要なくなるので、退化するらしいのだけど、そこに腫瘍ができるのが「尿膜管癌」。

私の場合は、子宮筋腫?なんて思われるような場所にできたので良かったけど、発見されにくい癌らしい。

退院後、ネットで尿膜管癌について調べたけど、あまり全快したという記事は見当たらない。

場所ば場所なだけに、膀胱癌と一緒になっていたり、先生曰く「メジャーでない癌」なので、治療方法も確立されておらず、病院によって違うのだとの事。

 

最初から尿膜管癌だと分かっていれば、手術の時に尿膜管も取ってしまうべきものらしいけど、私の場合はわからない状態だったので、残ったままだから再発する可能性が高いかも。

 

ここで、一番辛かった検査を一つ。

それは、「骨シンチグラフィー」。

骨をスキャンするための薬を朝病院へ行って静脈注射してもらい、お昼過ぎてからスキャン。

ベッドに仰向けに寝るんですが、上からベッドのマットのようなもので挟まれる感じ。

嫌がる人が多いらしいけど、私の場合、撮影ができていなかったと二回分とったけど、寝てしまっていたので、ほとんど不快感はゼロ。

何が辛かったかと言えば、その薬だと思われる。その日の夜に友達とご飯を食べに行く約束をしていたけど、行けないかも・・・と思うくらいに、体がだるかった・・・・。

泌尿器科系の癌は、骨に転移する可能性が高いらしいので、この検査を受けて、骨への転移がないことを確認してから、女性診療科から泌尿器科へ移るって計画だそうです。

 

去年くらいまでは、三ヶ月毎にCTとMRを交互にとってたけど、最近は半年に一度のCT。

前例の少ない癌なので、術後六年くらいは通うことになってます。

 

何となく思うのは、予防の治療ってないのね・・・ってこと。

半年毎とか三ヶ月毎にCTとかMRを撮ってるけど、これは見つけるための検査だし。

治療できることも大切だけど、予防できることも大事だなって、検査を受けるようになって思ったこと。

 

今後、どうなるかわからないけど、とりあえず節目の五年ってことで、書いてみました。

 

—Comments—

“尿膜管癌” への3件のフィードバック

  1. 上岡一寿 より:

    私も尿膜管粘膜下腫瘍で昨日に入院し3日後に手術になりました。
    病気が見つかり1週間での緊急手術の意味がよく分かりました。

  2. 匿名 より:

    私も同じ病気になりました。大変失礼ですがまだ生存されてますか

    • tenko より:

      生きてますよ(^^)
      手術から7年経ったと思います。
      一応、10年は診ましょうと、担当の先生が仰ってくださったので、1年に1回CTを撮りに行っています。

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